『愛するということ』

仕事柄、最近の婚活事情についてだったり、恋愛のノウハウ本や第一印象を良くするためのノウハウ本だったりを読むことはままあります。

 

でも、今回はちょっと本腰を入れて、愛について真向から考察した本を読んでみました。もちろん仕事のためでもありますが、個人的にも、人を愛するとか、また相手を信頼するとかいうことは、一体どういうことなんだろう?と考えていて巡り合った、エーリッヒ・フロムという人の『愛するということ』という本です。

 

この中で印象に残った部分を紹介しますね。シモーヌ・ヴェイユという人の言葉です。

 

「同じ言葉(たとえば夫が妻にいう「愛してるよ」)でも、言い方によって、陳腐なセリフにも、特別な意味をもった言葉にもなりうる。その言い方は、何気なく発した言葉が人間のどれくらい深い領域から出てきたかによって決まる。そして驚くべき合致によって、その言葉はそれを聞く者の同じ領域に届く。それで、聞き手に多少とも洞察力があれば、その言葉がどれほどの重みをもっているかを見極めることができるのである。」

 

言葉自体は、月並みかもしれませんが、同じこの本の中に書かれていた、相手の表面的な部分でなく核心を知ることや、その核の部分で共感し会話することが大切だ、というようなことを読んだ上でその言葉を読むと、本当にそうだなあと、とても感動しました。

 

実際に自分がいままで経験したことにじっくりと思いを巡らしてみると確かに、全く同じ言葉でも、その言葉だけが響いてくる場合と、そこに心が感じられる場合とがあるなあと思います。心が感じられて初めてその言葉が実感でき、真実味を帯び、伝わってくるんだと思います。そうして初めて心が通い合うというか共鳴し合うというか、そうやって人間関係や信頼関係が育まれていくのだなあとつくづく思いました。

 

ここでいう相手の核心を知るというのがどういうことか説明された部分も紹介しますね。実はここが、私が特に感動した部分です。

 

「相手の立場に立ってその人を見ることができたときにはじめて、その人を知ることができる。そうすれば、たとえば、相手が怒りを外にあらわしていなくとも、その人が怒っているのがわかる。だが、もっと深くその人を知れば、その人が不安にかられているとか、心配しているとか、孤独だとか、罪悪感にさいなまれているとうことがわかり、彼のことを、怒っている人としてではなく、不安にかられ狼狽している人、つまり苦しんでいる人として見ることができるようになる。」

 

本当に、こんなふうに深みのある人間でありたいなあと深く共感しとても感動しました。そして、私がはじめにこの本を手に取った理由として書いた自分自身の疑問「人を愛するとか、相手を信頼するということは、どういうことなんだろう」の答えはきっと、これなのではないかと思いました。相手の表面ではなく内面をしっかりと見ること、そしてその人の深い部分まで汲み取って理解すること、それから心からそうだと思える言葉を発すること、それが愛するということで、そしてお互いがそうできることが信頼なのかな、と思いました。

 

こんなふうに人を愛せたらいいですね。

そして、こんなふうに愛し合えたらきっと、幸せですね。

 

お客様やスタッフやその他自分の大切な人たちに対し、今まで以上、深く誠実に向き合うことを目標に、新年を迎えたいと思います。

 

カゼミチの本年の営業は今日までです。本年もたくさんのご愛顧を頂きありがとうございました。

みなさま、良いお年をお迎えくださいね。

 

そして、

 

☆*::*:☆Happy MerryXmas☆:*::*☆