お互いに相手を気に入っていて、毎週のように楽しくデートを重ねている。そんなカップルならば、成婚は時間の問題だと考えたくなるものですが、すんなりとは行かないこともしばしばです。
その理由のひとつが結婚後の居住地です。仕事や家族の都合で現住所からあまり離れられない人同士だと、妥協点を見つけなければなりませんが、それが難しいとなると、破談になってしまう場合もあります。
こういうとき、カウンセラーは解決を急かしません。「今日に明日にいきなり一緒に住むというわけではないのだから、とりあえずその問題は置いておいて、まずは、お互いに好きという二人の気持ちを大切にしましょう」とアドバイスし、問題を棚上げしつつ結婚に向けて前進することを提案します。
結婚したあとで妙案が見つかったり、どちらかがさらに妥協したり、時間が解決してくれたり、と方法はさまざまですが、気持ちさえ入っていれば、細かい条件面はどうにかなってしまうものだからです。
最後の最後まで住居についての方針が定まらないまま成婚していったカップルが、数年経って「子どもができました」とか「仲良く旅行を楽しんでいます」といった報告をしに来てくれることがあります。かつての悩みはどこへやら、といった様子です。
双方が惹かれ合っているなら、棚上げや先延ばしも悪くありません。最初から何もかも整っている結婚生活の方がむしろ稀ですから、まずは新しい人間関係を始めてみよう、という楽観的な気持ちで踏み出してみてください。