女性はしばしば相手男性の「学歴」に強くこだわります。
もちろんすべての女性がそうであるわけではありませんが、年齢・地域・収入などよりも相手男性の学歴を気にする女性が一定数いることは事実です。
ここでいう学歴とは、婚活現場の実際に即して言うなら、大卒かどうか、ということになります。
なぜ大卒にこだわるのでしょうか。
「大卒でない人は結婚相手として見ることができない」「自分の周りはみんな大卒だから、相手も当然大卒。大卒以外考えられない」。こんなふうに言葉足らずに語られると、日本版カーストとでもいうべき不穏な響きがありますが、大卒に期待されているのは、具体的にどんなものでしょうか。
①「知性」
知的レベルが違うから話が合いそうにない、というような反応によく出くわします。しかし、大卒がみな一定以上の知的レベルであるわけではないように、非・大卒もまた一様の知的レベルではありません。大卒かどうかで知的レベルを判断するのは、粗雑にすぎると言えます。統計的にはやはり大卒と高卒では差があるのではないか、という反論も予想されますが、これに対しては、結婚はマス（mass）でするわけではない、と答えることになります。１対１の結婚に統計を持ち出しても意味がありません。知的レベルはあくまでも人それぞれなので、会って、話して、判断するべきでしょう。
②「経済力」
たしかに大卒が非・大卒に対して相対的に高給を取る傾向はあります。昇進や昇給の速度が違うこともあります。が、これは相手に求める条件のうち、収入の項目で希望の数値を出せば済む話です。
③「世間体」
高卒よりは大卒の方が世間的な聞こえがいい、何かにつけて見栄えする、というわけです。しかし、これを求めだしたらキリがありません。大卒には大卒の中でのヒエラルキーがあり、やがて満足できなくなります。
上記の①～③は、大卒に固執する言い分としては、ちょっと説得力が足りないようです。そこで、以下のようなひねった答えが出てきます。
④「大卒に対するコンプレックスがない」
自分は相手が大卒かどうか気にしないが、相手が自分に気後れしてしまうわずらわしさを避けたい、だから大卒の男性がいい、というのです。大卒女性と交際した高卒男性が、ことあるごとに「僕は君ほど頭が良くないから」と卑屈になる、そんな話はよく聞きます。
実際、「高学歴の女性はちょっと・・・」「知的な職業に就いている女性は苦手」と会う前から敬遠してしまう男性（とくに年配の男性）は、ちらほら見受けられます。
どうやらこの問題の根幹には、男女双方に共通する思い込みがあるようです。すなわち、「男性は、少なくとも女性と同等か、それ以上の学歴であるべし」という思い込みです。
男性が女性よりも低学歴であってはならない、という不文律に忠実であろうとするから、女性は大卒男性を求め、男性は大卒女性を敬遠することになるのです。
婚活の妨げとなる小石と思っていたら、根深いものに突き当たってしまった、そんな一例でした。