先日(11/24)のクローズアップ現代のテーマは「恋人いらないってホント?出現!“いきなり結婚族”」でした。
恋愛を経ずに結婚することそれ自体は、珍しくありません。恋愛抜きの結婚という意味では、昔のお見合い結婚はまさに「いきなり」の結婚でした。
では、この番組で取り上げられている「いきなり結婚族」は、かつてのお見合い経験者たちとどう違うのでしょうか。
大差はないのでは、というのが個人的な意見です。
番組の冒頭、ネットで結婚相手を募集する女性が登場します。新人類出現といわんばかりの扱いで、一見すると、非常に斬新な婚活スタイルのようですが、じつは仲人に釣書を預けて紹介を待つことと、大きな違いはありません。
テクノロジーの恩恵でスピード感や波及規模は違いますが、本質的には変わらないと言えます。
では、結婚相手を求める理由はどうでしょうか。
これも今昔に差はありません。子どもがほしい、経済的な安定がほしい、社会的な体裁を整えたい、などなどです。
番組では、いまどきの大きな特徴として、「恋愛はめんどくさい」と言う若者が多くなった、という指摘がありました。長く交際したあげくに別れたら時間や金の無駄、といった観点から、「恋愛はコスト」という意見すら出てくるほどです。
しかし、これは、結婚を最大の目標とするなら、その過程として恋愛を経るのは遠回り、という合理的な思考が顕在化しただけであって、恋愛したくないわけではない、という本音も垣間見えます。
大手結婚相談所では、20代の利用者の割合が増加しているそうです。世話焼きの親戚や仲人おばさんに代わるものとして、結婚相談所を頼るのは自然なことでしょう。
取り巻くテクノロジーが変われば、アプローチも変わる。でも、本質は変わらない。そんな典型例を見た気がしました。