アラフォー世代の経済的な困難をテーマとする記事を読みました。
アラフォー世代は、婚活においては、経済的不安から高収入の相手を求める傾向が強く、その高望みのせいで出会いの機会を逃しているのではないか。記事はこのように指摘した上で、それに対する婚活事業者の対応を取り上げています。
≪これまで269人の結婚にこぎつけた「えひめ結婚支援センター」は、パートナー選びにAI技術を取り入れた。当事者任せにせず、ビッグデータをAIに分析させる。希望年収にこだわらず、当事者には根拠を示さずにAIが選んだ相手と「とりあえず会ってみる」ことを勧める。対象が広がり、従来は13%だった成功率が29%に高まった。/あまり期待せずにお見合い―意気投合―ゴールインということも実際にある。AIがこだわりの壁を取り払った。≫
AIに対する信頼性、成功率の定義などはひとまず措くとして、お見合い相手のピックアップを「当事者任せ」にしない、あえて「他人任せ」(AI任せ)にしてみる、という取り組みは、いかにも現代的で、風変わりなものに見えるのではないでしょうか。
人によっては、乱暴なマッチング、と思うかもしれません。しかし、原理としては昔ながらの仲人によるマッチングと大差なく、理にかなった紹介方法と言えます。
というのも、出会いを作るにあたって一番の障害物となるのは当事者たちのヘタなこだわりであり、これを取り除くのが仲人の仕事だからです。
あらゆるこだわりを「ヘタなこだわり」と決めつけるわけではありませんが、数多くの成婚者たちを見ていると、当初のこだわりはどこへ行ってしまったのか、と聞きたくなることがしばしばあります。成婚者たちにとっては、年収や地域といった重要なこだわりすら二の次になってしまうのですから、先述のAIを利用したお見合いがうまくいくのは、頷けるところです。
もちろん、完全な「他人任せ」では精度を欠きすぎて、闇鍋のようなお見合いになってしまうでしょう。かといって、完全な「当事者任せ」では、みずから可能性を潰していくような婚活になってしまうはずです。
仲人とは、当事者たちのこだわりを踏まえつつ、第三者の立場でマッチングしていく存在で、「当事者任せ」と「他人任せ」のバランスを取ることが求められます。
カゼミチにおいては、カウンセラーは、会員の言いなりでは務まらず、また、会員に対して頭ごなしになってもいけない、ということになります。どちらにも偏らないバランス感覚がカウンセリングの肝と言えるでしょう。