幸せってなんだろう?

先日の仕事終わり、はじめての居酒屋へひとりで行ったときのことです。

音楽も流れていないそのお店は、お客さんたちの口数も少なく、とても静かでした。
経営者とおぼしき60代くらいのご夫婦が、「りゅうちゃん」「けいこ」と呼び合っているのがなんだかとても新鮮で、仲がいいんだなあなんて思いながら私もまた静かにお料理とお酒をいただいていました。

そうこうしていると、ほんの些細なことで二人がケンカを始めました。
私が注文したひれ酒の扱いをめぐってのことだったので、私もなんだか気が気じゃなくて、「まあまあまあ、、、」と止めに入りたいような気持ちでハラハラしながら見ていたのですが、心配は無用、その数分後には「りゅうちゃん、今日の〇〇どうする〜?」「□□でいこう」と、何事も無かったかのように始まるのです。

ケンカも仲良い会話も息が合っているというか、わかりあっているというか、信頼し合っているのが伝わってくるというのか、その空気感をうまく言葉にできないのですが、あまりの仲の良さにちょっと感動してしまいました。

それまでひとり黙って食事をしていた私も、「仲いいですね、ご結婚して何年くらいなんですか?」と思わず話しかけてしまいます。
もう結婚して35年位、昼も夜も一緒にいるので普通の人の70年分くらいの結婚生活をしているようなもんだ、なんて言っていました。
それだけ四六時中一緒にいるのに、朝は毎日2人で喫茶店モーニングデートを欠かさないそうです。
「食前食後に必ず飲む胃薬ぐらいの頻度でケンカするんですよー(笑)」とも言っていました。

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こんな平凡でシンプルな幸せのかたちを目の当たりにして、結婚相談所で仕事をするプロとして初心にかえらされたというか、なんだかすごく考えさせられました。

多くの人が、それなりに結婚願望は持ちながらも、ただちに結婚しなくても取り立てて問題は無い、と感じている近頃、当社にいらっしゃるお客様達のお話を伺っていても、結婚したいという気持ちがあるにはあるけれど、「自分の時間を犠牲にしてまでは」「趣味を犠牲にしてまでは」「仕事を犠牲にしてまでは」「住む場所を変えてまでは」したくない、という方が多い気がします。
つまり、今の自分中心にまわっている暮らしの何かを犠牲にしてまで結婚したくはないということですね。
よりよい人生を願うことは悪いことじゃないし、私もどちらかというとそんな風に考えてしまいがちな人間なので、そうおっしゃる方たちの気持ちもよくわかります。
だけどそもそも、結婚という大きなものを得ようとする以上、生活は大きく変わるだろうし、今ある自分中心の生活を何一つ犠牲にしないというのは難しいことのように思います。「自分」ではなく「二人」が中心になるのですからね。

こんな何十年経っても仲の良い幸せそうなご夫婦を見ていたら、本当の幸せってなんなんだろうと、考えてしまったわけです。
現代の私たちは、自由で贅沢で、独身生活もそれなりに楽しめる便利な時代に生きていると思うのですが、あれもこれも簡単に手に入れられるその影で、単純な幸せというか人として本当に必要なことを見失いがちなのかな、なんて思いました。
あれもこれもと欲張って、一見バランスの良い生活を手に入れたとして、何十年後、このご夫婦みたいに名前を呼び合ったりケンカをしたりしながらこんな幸せそうな顔ができているのかな、と。

私もついつい欲張りになってしまうタイプの人間なので、この機会に「自分が本当に欲しいものは何か」じっくり考えてみたいと思いました。
婚活中の皆さんも、溢れる選択肢に惑わされることなく、「自分が本当に欲しいものは何か」良く考えて、後悔の無い婚活をしてくださいね。

もう1週間も前のことなのに、あの夫婦が今でも頭の片隅から離れません。