『幸せの感じ方』(グレン・ミラー物語より)

おととい発表された、22年度国勢調査に基づく厚生労働省の推計によると、少子高齢化が益々加速しているようですね。
ニッポンの未来のためにも、もっともっと大勢の方に成婚していただかないと!と、更に気を引き締めたところです。

ところで数日前、グレン・ミラー物語という古い映画を観ました。

有名なジャズミュージシャンのグレン・ミラーが華々しく成功するまでの実話に基づく物語と、そして音楽が素敵なのはもちろんなのですが、私は今回、パートナーのヘレンの”妻”像に、なんだかとても心打たれました。

ヘレンにプロポーズしたときのグレンは、夢はあるけど実現の手応えは無い、質屋通いをしながらやっと生活をしている、しがないミュージシャンです。
だけどヘレンはなんと、無難な婚約者を捨ててまで、不安定で波乱だらけのグレンとの生活を選びます。
そこからの彼女の、夫へのブレない信頼と健気な献身に、女の私も心惹かれてしまいました。
いや、「女の私も」ではなく、「女だからこそ」、かもしれません。
要するにグレンが、お金、仕事の成功、生活の安定や保証といった、いわゆる婚活でもてはやされるような要素をなに一つ持っていなくても、彼女にとってグレン自身こそが、「生涯を共にしたい」と思える人間だったということです。

グレンが挫折し夢を諦めかけても、いつでもヘレンが言葉と行動で応援し、生活を切り詰めて貯めたヘソクリも、夫の夢のためにヒョイっと渡してしまいます。
世界的に歴史的に有名なグレン・ミラーの成功は、こんなヘレンの内助の功あって誕生したのですね。
彼はたまたま成功者になったけど、仮に成功しなかったとしても、きっとヘレンは同じように幸せを感じることのできた女性だろうと思います。

一般的に、結婚相談所でも成功者はモテます。もちろん成功者には、「才能がある」とか「根性がある」とか「ひたむきに努力のできる真面目な性格である」とかいった魅力があることも確かです。
でも、数値的な結果だけを見て人を判断するのなら、あまりにさみしいと、そんな状況を目にするといつも思います。

数値は常に変化します。「ゼロ」になることだってありますよ。仕事もお金も生活の安定や保証も、いままであったものが一瞬で無くなるかもしれません。
その人が何を持っているか?ではなくて、裸一貫になったときでも共に乗り換えていきたいと思える人か?という基準で選んだパートナーとなら、何があってもおかしくない人生の、いい時も悪いときも、一緒に乗り越えていけるのではないかなあと思うのですが、いかがでしょうか?
どんなことを考える人か、どんな心の持ち主か、価値観はどうか、そんなことを婚活のポイントに据えてみてくださいね。

結果的に大成功者の妻となったヘレンも、安いアパートで貧乏生活をしたり、忙しさのあまり流産して病床に伏したり、苦労を長く重ねていますが、そんな時でもいつも幸せそうでした。

幸せとは、人や環境から与えてもらうものではなく、人や環境をどう捉えるか、で、感じることのできるものなのかもしれませんね。